ALPHA
Garden
見頃の植物     
(2006.6.8)

サラサウツギ Deutzia crenata f.plena
アジサイ科

季節が進むスピードがいっそう速く感じられる時期です。いつの間にやら今年も半分が過ぎてしまいました。前回の見頃ページの更新以降、次々と花が咲き、花が終わり、抜いても抜いても草が生える一年でもっとも自然界がパワーに満ちあふれている季節のようです。やはりこの季節は最低でも2週に一度ぐらいの頻度で更新が必要ですね。
 さて、2年前に移植したサラサウツギがようやく新しい場所に落ち着いて、堂々たる枝振りで花を咲かせています。昨年も花はつけましたが、やはり2年ぐらいかけてようやく周りの空気とも馴染むようです。その他この一月でヒメウツギ、ウツギ、バイカウツギ、タニウツギ、ハコネウツギ、それからショウキ(鍾馗)ウツギの和名があるコルクウィッツィア、また「ウツギ」つながりではツクバネウツギの名を持つアベリアも花をつけました。同じ「ウツギ」の名前が付きますが、サラサウツギと最初の3種はアジサイ科、その他がスイカズラ科になります。花の形が全く違うので分かりやすいと思います。いずれも灌木で、手がかからず、ふわっとしたボリュームがでるので、庭で重宝する存在です。
 これからウツ、ウツとした雨の季節が始まりますが(本日梅雨入り!)、雨露に濡れてつややかに輝く花や葉をみれば心の曇りはさっと晴れるのではないでしょうか。

アルストロメリア
学名:Alstroemeria spp.
科名: ユリズイセン科
植栽場所: 花の庭
開校以来ほとんど手をかけることなく、ずっと元気に育っています。花の時期も長く、病虫害も心配もなく、おすすめ度No.1の一つです。
手前の濃い紫はヴェロニカ・スピカータ
ベロニカ・ロンギフォリア
学名:Veronica longifolia
科名:ゴマノハグサ科

植栽場所:花の庭
ろうそくの炎のような細長い花穂が印象的なベロニカは、この時期数種類が少しずつ時期をずらして咲きます。混色したクラスペディアの黄色のボールとのコントラストが楽しい。
神戸ラベンダー
学名:Lavandula cv.
科名:アブラナ科  
植栽場所:銀のコーナー、宿根草ボーダなど
キンボシさんより毎年いただいている神戸ラベンダーですが、昨秋は小さな挿し木苗をたくさんいただいたものを銀葉のコーナーに植えました。濃い紫が印象的で、コンパクトながらとてもタフなラベンダーです。
セントウレア・ギムノカルパ
学名:Centaurea gymnocarpa
科名:キク科    
植栽場所:テクスチャー&フォルム花壇
数年前に初めて植栽したときにはほかの場所ではほとんど見ることがなかった本種ですが、ガーデン愛好家の間ではだいぶ普及してきたようです。シルバーリーフはシロタエギクによく似ていますが、ピンクの花とのコントラストがなんともおしゃれです。下から枯れ上がって気安いので、定期的な株の更新が必要です。
   
ペンステモン・ジギタリス
学名:Penstemon digitalis
科名:ゴマノハグサ科  
植栽場所:エントランススロープ、花の庭
ジギタリスのように咲く、ペンステモンと言う意味でしょうか、初夏に生い茂った雑草の間からも、すくっと立ち上がって、約束通りの花を見せてくれます。花壇の中程に、少し高さを出したいときに重宝します。
宿根フラックス
学名:Linum perenne
科名:アマ科  
植栽場所:花の庭

すかっと晴れた空のように澄み切った青色は花の色としては珍しい方です。フラックスは亜麻仁油を採取したり、繊維がリネンになったりと有用、薬用植物としての価値が高い植物です。風に揺れる細い茎とうすい花びらはとてもデリケートですが、すごいパワーを秘めているのです。
スモークツリー
学名:Cotinus coggygria
科名:ウルシ科  
植栽場所:花の庭、園芸療法ガーデン

花が咲いた後の綿菓子のようなふわっとした花序がケムリのように見えるのでスモークツリー。こちらは銅葉の品種ですが、他にもさまざまな品種があります。
アスチルベ
学名:Astilbe x arendsii
科名:ユキノシタ科  
植栽場所:園内各所
アスチルベは明るい日陰が好きです。白や、ピンク、はっきりとした赤など品種も豊富で、ほとんど手のかからない丈夫な宿根草です。和風の庭にもよく合います。
And many more... (ゆっくり紹介しきれないのですが、たくさんの花たちが皆さまのお越しを待っています、)

カリステモン(ブラシの木)
リクニス・コロナリア  カシワバアジサイ
庭づくり ことはじめ3
                          シーンをつくる


 シーン=光景、情景、風景、場面…etc. 庭づくりにおいてもっとも難しく、重要なポイントが植栽が単に「植物を植え付ける」という行為に終わらず、その庭、その家、その街並み、地域のなかの風景として一シーンを築くということです。はじめに植栽デザインをするときにあれもこれも植えたいと言う欲望を少し抑えて、どのようなシーンをつくろうかという考え方をすると、一つ一つの植物が、その空間の中での存在意義を持ち、よりまとまりのある落ち着いた空間がうまれます。一つ一つの植物がどのような大きさに、どれぐらいの時間をかけて育つか、他の植物との相性はどうか、というようなことを熟知しているつもりでも、そこに自然環境の予測できない作用がくわわり、庭という空間が形作られます。100%計画通りにいく人なんているんでしょうか。私に至っては20%だけで、あとは自然にお任せです。思い通りになかなかいかない難しさ、しかしそこに庭づくりの醍醐味があるように思います。

                                                          
                                                       

                                                        
*見頃のページをご覧頂いた(ている)皆様、ありがとうございます。最近は見頃の花情報以上にあれこれ書かせて頂き、やや暴走気味(?!)です。どうぞ皆様の忌憚のないご意見(異論・反論etc)をお寄せ下さい。alpha@awaji.ac.jp

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(2005年4月~2006年4月