ALPHA Garden |
見頃の植物 |
(2006.1.31)
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春の気配 |
(2月6日撮影 雪はあっという間にとけて…) |
「本年もどうぞよろしく…」、と言い終わらないうちに一年の最初の一月が終わってしまいました。ぼんやりしていたらまた一年があっという間に飛んでいってしまいかねません。気持ちを引き締めて、2006年最初の見頃のページをお届けします。 |
イオノプシジウム 学名:Ionopsidium acaule 科名: アブラナ科 植栽場所: 事務棟前テラス(エスパリエの足元) 粉砂糖をちりばめたように小さな白い花が咲いています。地中でギボウシが眠っている間、この花が地面を覆います。12月~1月の乾燥で花が出遅れているようです。春になると薄紫がかってきます。暖かくなると消えてしまう一年草ですが、毎年タネをこぼしてよく増えます。 |
ソシンロウバイ 学名:Chimonanthus praecox f. concolor 科名:ロウバイ科 植栽場所:四季の庭 その名の通り蝋細工のような黄色い小さな花が高貴な香りを漂わせているのに出会うと、まだまだ寒い季節のまっただ中にあっても着実に春の訪れが近づいているのを感じます。中国原産の植物で、茶花としても古くから親しまれています。 |
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ストック 学名:Matthiola incana 科名:アブラナ科 植栽場所:展示見本園 冬の花としては定番の一つとなっているストックですが、香りの良さに加え、冬の一年草の中では数少ない背丈がでる花なので毎年植えています。近年はさまざまな中間色が作られており、切り花だけでなく花壇材料としてももっと活用したいものです。八重咲きでは花にボリュームがありすぎるので、花壇には一重の方が向いているかも知れません。 |
日本スイセン 学名:Narcissus tazetta var. chinensis 科名:ヒガンバナ科 植栽場所:実技フィールド 数多いスイセンの仲間の中でもっともなじみ深い本種は古くは中国から渡ってきた種で、国内では伊豆下田・越前海岸そして淡路島が3大自生地となっています。香りが強く、部屋の中に生けておくにはきつすぎるぐらいです。本校では実技フィールドの斜面に毎年多くの球根を植え付けてきましたが、水仙郷と呼べるようになるのはまだまだ先のようです。 |
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虹の玉 学名:Sedum rubrotinctum 科名:ベンケイソウ科 植栽場所:エントランススロープ谷側 寒さに耐えて赤く色づく姿が何ともけなげでかわいらしい人気の多肉植物。プリプリとした葉は暖かな季節にはつややかなグリーンになります。それが寒さと共に色づき始めた頃が「虹の玉」の名にふさわしい状態なのかも知れません。肉厚な葉っぱを砂の上に置いておくだけで、どんどん子どもが増えます。 |
スノードロップ 学名:Galanthus spp. 科名:ヒガンバナ科 植栽場所:エスパリエの足元 高さ15cmほど、竿の先に小さなベルをぶら下げたような形のスノードロップ、チリリンと春を告げる微かな音が聞こえてきそうで、思わず耳を澄ましてしまいます。秋植えの球根花で、育てやすいのですが、乾燥に弱く、今年は晩秋から雨が少なかったこともあり、わずかしかでてきていません。いつか一面のスノードロップで春を迎えたいと思っています。 。 |
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コウサイタイ(紅菜苔) 学名:Brassica chinensis f. honsaitai 科名:アブラナ科 植栽場所:分区園 この季節、野菜畑には寒さにくっと葉を食いしばったような表情の野菜たちが見られますが、ひときわ早く花を咲かせているのがこの紫の茎葉が印象的な中国野菜。花が咲きかけた茎を刈り取って炒め物や和え物においしいのですが、ガーデンの彩りにも一役買っている植物です。栽培も簡単で、おすすめです。 |
サワラ フィリフェラ・オーレア 学名:Chamaecyparis pisifera "Filifera Aurea" 科名:ヒノキ科 植栽場所:コニファーガーデン、ロックガーデンなど 道路際や、公園など公共の場所でも良く見受けられるようになったコニファーの一種です。年中黄色い葉が空間を明るく彩りますが、、寒さに当たっていっそう鮮やかになりました。タフで、手間のいらない大変重宝する種です。 |
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冬の華 秋から冬にかけて、他の季節より花が少なくなるのは自然の摂理です。この季節、植えてある花は全国どこへ行ってもパンジー&ビオラが主流で、それさえ露地では寒さに葉を食いしばりながら地面に張り付いているという状態で、美しいというよりむしろ気の毒になってしまうようなものが多くみられます。 もちろんこの季節に咲くフクジュソウやスノードロップ、日本スイセンなどはそのようなことはなく艶やかな花を楽しませてくれます。 冬晴れの澄み切った空に映える庭、雪に覆われた庭、冬の雨に濡れる庭にはそれぞれの趣があります。葉を落とした樹木のシルエットや幹肌の表情、シックな色合いのコニファー、春を待ってぷっくりと膨らんでいる蕾、地面から元気よく顔を出している球根の芽、霜で枯れてしまった草木の色、みぞれ雪に濡れる葉など、この季節ならでは美しい姿にはっとします。果たして真冬に春の花を愛でる必要があるのでしょうか。自然には季節ごとの姿があり、それを楽しむのが本当の庭の楽しみ方ではないでしょうか。 そして寒い冬があるからこそ、春の華やぎがいっそう心躍るものになるのです。少し目線を変えて、この季節の庭を楽しめるようになったら、少しだけコタツから外に出やすくなるかもしれません。 |