見頃の植物

ヒンジガヤツリ

写真:ヒンジガヤツリ



 学 名:Lipocarpha microcephala
 科 名:カヤツリグサ科
 分布:本州、九州、沖縄など
 生育場所:「風の庭」の池の岸など


 ヒンジガヤツリはカヤツリグサ科の1年草です。水田の畦など、湿った場所に生育します。草丈は5~20 cm程で小型ですが、細かい茎が多数叢生して群生することが多く、 小さい割に、ボリュームがあるように見えます。筆者はカヤツリグサ科の植物が好きで、“見ごろの植物”でも何度か取り上げてきましたが、 このヒンジガヤツリは身近に見られるカヤツリグサ科植物の中で最もプリティーな一種だと思います。
 このヒンジガヤツリの花穂は、卵形の小穂(多数の小花が集まったもの)が3つ、三角形に集まった形をしています。この小穂の集まった形が、漢字の「品」の字に似ていることから、 ヒンジガヤツリと呼ばれています。正直、「品」の字にはあまり見えないのですが、この花穂がこんもりと丸い感じで、とても可愛らしいです。是非、ルーペを手にとって、 この黄緑色の小さな棘(鱗片)の並びを見てみて下さい。
 ALPHA内では、風の庭の池の岸辺にたくさん群生しています。



 それではここで一首
「雑草」と 時に無視され抜かれても 品があるよね ヒンジガヤツリ(読み手:ムッシュ・ムラムラ)


<参考① 勝山輝男・北川淑子 (2014) カヤツリグサ科ハンドブック, 文一総合出版, 64p.>  
<参考② 門田裕一 監修, 林弥栄 改訂版監修 (2013) 増補改訂新版 野に咲く花, 山と渓谷社, 91p.>