マツバウンラン
学 名:Nuttallanthus canadensis
科 名:オオバコ科
原産地:北米
植栽場所:四季の庭から続く池の中島
薄紫の花をつけた細い茎が群れになり、すっと立っています。
花は上下のパーツに分かれ、中央が白くぽっこり盛り上がっており、UFOみたいな形です。
私の中で、かわいいけどようわからん形の花に分類されているリナリア(Linaria maroccana)と似ています。
リナリアもオオバコ科です。
薄くて軽い花を長い茎の先端につけています。
茎は見た目以上にしっかりしており、意外とまっすぐではありません。
途中でうねっているものが多いです。
葉は細く、これが“マツバ”を冠している理由なのだろうと思います。
花をつけながら上に伸びていくらしく、咲き終わった花は種になっています。
まだ熟していませんが、中を開けてみると、黄色く細かい物質と中心には核のようなライムグリーンの物体が確認できました。
どこが種子そのものになるのか今回は判断できる状態ではありませんでしたが、数は多いことは想像できます。
花は次々咲く予定で、かつ順次種子になるのですから、順調に増えていけるのではないでしょうか。
ところで、マツバウンランを漢字変換すると松葉海蘭と書きます。
もともと、日本には海辺の砂地に生える海蘭という植物が自生しており、マツバウンランの名前の由来になっています。
私は写真でしか見たことはないですが、確かに花の形が似ていました。
ウンランという名は海辺に生え、蘭に似た花をつけることからきているそうです。
実際、蘭の花にとても似ている、とは思いませんが、言われれば構成が似ているようです。
遠く離れたところに似た花があるなんて面白いです。ウンランにとっては海外の親戚がやってきたような気分かもしれません。
こんなところで大活躍!
1941年に京都市伏見区向島で発見されて以来、日本のあちこちで見られるようになりました。
その繁殖力、丈夫さ、適応力など言うまでもありません。
まさに外来の緑化植物の性質を持っていると思います。
<参考①:長田武正『原色日本帰化植物図鑑』保育社(1976.6.1)>
<参考②:佐竹義輔ほか『日本の野生植物草本』平凡社(1981.10.20)>