タマスダレ
学 名:Zephyranthes candida
科 名:ヒガンバナ科
原産地:南米(ラプラタ川周辺)
植栽場所:花の庭のネグンドカエデの下、
一般駐車場、一般道沿い
Zephyranthesには、雨の後にいっせいに開花する性質があることから「レインリリー」という別名があります。暑い夏の終わりから降り続いた雨のおかげで、かわいいタマスダレがたくさん花を咲かせました。
すっと伸びた茎に一輪だけ咲く白い花。まっすぐに伸びる丸くて細長い葉と茎が、密集すればするほど、名前の通り「玉簾」のように見えてきます。濃い緑の葉と茎の中に、真っ白な花と、その中の黄色の葯。このコントラストがはっきりしているのでよく目立ち、しかし派手すぎず美しいです。
葉、茎、花、触ってみるとどこもつるつるとしています。簡単に水には負けない、防水加工をしているような感触です。葉は茎のようにとても細く、半円錐状の形をしています。茎に近い部分の花弁は綺麗な黄緑色をしていて、茎の延長だというのがよく分かります。単子葉類であるヒガンバナ科は、萼と花冠(花弁の集合体)の区別が難しいようです。
調べていると、意外な情報を見つけました。南米に原生するタマスダレは水草であるというのです。ラプラタ河の岸辺や、水中に咲いていることも稀ではないとか。私は水辺とはあまり関係ないところでしか見たことがなかったため、驚きました。ですが、雨が良く降った後に開花するという性質や、水にも強そうな手触りも、納得できる気がします。
学校では、花壇のような仕切られた場所ではなく、道沿いの芝の中からわさっと顔を出しています。初春の水仙の光景を思い出しました。探して見て下さいね♪
こんなところで大活躍!
丈夫なので花壇の縁取りや街路樹の下に植えられます。上でも述べたように、水中でも育つタマスダレ。川沿いなどの緑化として、池など水面での花飾りなど…見てみたいものです。
参考①:花葉会編「アーバンガーデニング」講談社、2002年1月
参考②:講談社編「くらしの花大図鑑」講談社、2009年11月
参考③:金田一「散歩で見かける四季の花」日本文芸社、2013年4月
参考④:山岡景行「実験講義 花の構造追加分」<http://www2.toyo.ac.jp/~yamaoka3/biosrv/pdf/exp/chapt_2_morph.pdf#search='%E3%83%92%E3%82%AC%E3%83%B3%E3%83%90%E3%83%8A%E7%A7%91+%E8%90%BC'>