シャクヤク(別名:エビスグサ)
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学 名:Paeonia lactiflora
科 名:ボタン科
原産地:東アジア(中国北部~朝鮮北部)
植栽場所:展示見本園の南端(歩道と園路が交わるところ)
花の時期:5~6月
今月の様子:蕾
特徴
:草丈60㎝~1mで、茎の先端に直径10cm前後の大輪を1つ咲かせます。
「ボタン」と同じボタン属で、木本性のものをボタン、草本性のものをシャクヤクと分類され、シャクヤクは冬になると地上部の茎葉が枯れて根の状態で休眠します。
寒さに強いが夏の暑さには弱く、植え付けには日当たりの良い場所が絶対とされています。
ちなみに、日本の林地に自生する「ヤマシャクヤク(Paeonia japonica)」は日当たりの少ない狭い庭でも栽培が可能です。観賞用の花として盛んに品種改良が行われ、花色は紅色から紫紅色、白、黄色など、花形も一重咲き、金しべ咲き(雄しべが太く、大きな黄色の固まりのように盛りあがる)、翁咲き(雄しべが1本1本大きく扁平)、冠咲き(中央の雄しべが完全に弁化)、バラ咲き(花弁の外弁と内弁の区別がつかない、雄しべは弁化)など実に多彩で、品種は豊富にあります。
豆知識【【姿形も用途も女性の味方(見方)】】
日本には平安時代に渡来し、当初は薬として使われていました。
古名の「エビスグスリ」や漢名の「芍薬」の名残が和名や別名で使われています。
現在も薬用のシャクヤクは、漢方薬として使われ、冷え性や月経不順、産後の疲労回復など婦人科用のほか、腹痛や下痢、風邪のひきはじめなどにも効果のある要薬とされています。
また、美人を形容する「立てばシャクヤク、座ればボタン、歩く姿はユリの花」という言葉に登場するシャクヤク、ボタン、ユリはいずれも婦人病の薬草でもあり、可憐で上品な姿形を例えただけではない奥深さを感じます。
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<参考①:山と渓谷社.山渓カラー名鑑 園芸植物.p.324.1998>
<参考②:講談社.園芸大百科事典フルール 第2巻-春の花Ⅰ-.p.20~27.1980>
<参考③:ヤサシイエンゲイ>
<参考④:イー・薬草・ドット・コム>
- (撮影日:5月13日)