ミソハギ
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写真:ミソハギ |
学 名:Lythrum anceps
科 名:ミソハギ科
原産国:日本
植栽場所:日本庭園
8月と言えば全国的に「お盆」の時期です。家族や親戚が久しぶりに集まって、楽しく過ごす方も多いのではないでしょうか。
そもそもお盆とは、先祖の霊があの世から帰ってきて家族と一緒に楽しいひとときを過ごし、また帰って行くと言う行事です。
このお盆の頃に咲く花がミソハギです。仏前に供えられることから、別名で盆花や精霊花などとも言われます。
ミソハギは、山野の湿りけのある場所に群生しますが、盆花として仏前に供えるために、水田わきの溝などに本種だけが刈り残している農家も多いそうです。
長野県などでは、このお盆の日に、ミソハギの花に水をつけて玄関先で祓い(はらい)、祖霊を迎えるそうです。
ミソハギは「みそぎはぎ」に由来するとされ、かつて、水辺のこの花で汚れを落とす禊ぎが行われたとも言われています。
ミソハギは、日本のお盆には欠かせない花として、昔から人々に親しまれてきたようです。
最後に、ミソハギの花の形態的な特徴を一つご紹介します。
日本にはミソハギ属として、ミソハギとエゾミソハギの2種があります。
この仲間は、雄しべと雌しべの長さが、長・中・短とあり、その組み合わせによって3つの型の花があります。
雌しべの長い花には中雄しべと短雄しべ、中雌しべの花には長雄しべと短雄しべ、短雌しべの花には長雄しべと中雄しべ、
というように自分の花粉で受粉してしまうことを防ぐシステムになっています。
実際に、ALPHAの日本庭園に咲くミソハギの花を観察してみたところ、雄しべが長く雌しべが短いものと、雄しべが短く雌しべが長い組み合わせのものがありました。
今年のお盆には、ミソハギを供えてご先祖様をお迎えしてみてはいかがでしょうか。
では、ミソハギで一句
ミソハギと 蝉と迎える お盆の日 (詠み手:津森 碧)
<参考文献① 山渓ハンディ図鑑1 野に咲く花.p.308.2013年(山と渓谷社)>
<参考文献② 夏の野草.p.208.2006年(山と渓谷社)>
<参考文献③ 花おりおり.p.72.2003年(朝日新聞社)>