春咲きクリスマスローズ
学 名:Helleborus orientalis
科 名:キンポウゲ科
原産地:欧州中部、南部から西アジア
別名:レンテンローズ
植栽場所:校舎から一般駐車場へ続く石段沿い
初めて見た時、これは本当に花なのかと思いました。
花びらは緑っぽく、葉っぱもこんもり茂っている様は、私が思う花のイメージとは違っていました。
それに、クリスマスでもないし、バラにも見えないし、クリスマスローズって何なん、というのが第一印象でした。
正しくは、クリスマスローズというとヘレボルス属のニゲル種(Helleborus niger)を指します。ヨーロッパで花の少ない冬の12月末に咲くので、
「クリスマスの頃に咲くバラ」という意味で「クリスマスローズ」と呼ばれています。しかし、ニゲルもバラ科の植物ではありません。
ちなみに私はニゲルを写真でしか見たことはないですが、一般的なバラの花に似ていると思えませんでした。
ニゲルは、白くて一重で、イチゴの花を大きくしたような風貌です。なぜ“ローズ”と呼ばれているのか・・・。
私は、ニゲルが似ているのはバラの原種なのではないかと予想しました。
ニゲルは、雰囲気としては現在のバラの原種の1つであるノイバラの花の姿に似ています。
先ほど、ニゲルはイチゴの花に似ていると書きましたが、イチゴはバラ科です。
これらから、バラは改良を重ね、原種の姿からはほど遠くなっているのだと気づくことができます。
名前の不可解さは、人間が美しさを追求した結果、元の形からは想像ができないほど変わってしまったことに原因があるといえるかもしれません。
また、日本では、原種を含めたヘレボルス属全体の植物を、いつからか「クリスマスローズ」と呼ぶようになったようですが、これも名前のややこしさを助長しています。
日本で流通している多くの品種は、春に開花します。
たくさん改良が重ねられている植物を知る際にはまず、原種を調べることが大切だとわかりました。
クリスマスローズについて知りたければ、まずHelleborusnigerを知るべし、ということができそうです。
こんなところで大活躍!
花の少ない時期に開花し、日陰でも育ち、通年葉が茂るということで、庭のデッドスペースで活躍しそうです。
ちなみに花のように見えているのは萼です。萼は長い期間ついており、長期楽しむことが可能です。
<参考①:村井千里・久山敦『花図鑑 球根宿根草 草土花図鑑シリーズ8』草土出版(1998.10.2)>
<参考②:花新聞ほっかいどうvol.333 特集 基本から最新情報までわかるクリスマスローズ入門(2014.2.26)>
<参考③:クリスマスローズの名前(名称)の由来と歴史 http://www.wakaizumi-farm.com/helleborus-yurai.html>