キランソウ
学 名:Ajuga decumbens
科 名:シソ科
原産地:日本(本州~九州)
植栽場所:一般駐車場トイレ横の竹林付近
一般駐車場の裏の草地に、上品な紫色がちらほら。これは誰かが植えたのではなく、野草のキランソウです。花壇ではない草地にも、特に春は素敵な野の花を見ることができます。
キランソウを観察してすぐに気がつくことは、葉、葉脈、茎、萼にも、至る所にたくさんの白い毛が生えているということです。これが全体をふんわり、まるでフエルト生地のように見せている理由でしょう。
茎が立ち上がらず、地面を這って、葉の腋に花が咲いているのも、キランソウの特徴です。萎れていたり、押しつぶされたりしているわけではないようです。また、地面にへばりつき、広がる様子から、「地獄の釜の蓋」という別名もあります。
しかし、そんなにおどろおどろしいものではありません。この派手すぎない色合いが、どこか「和」を感じさせます。広がる性質を利用して、もし庭などのグラウンドカバーとして咲いていたら素敵なのに…とも思ってしまいました。ちなみにセイヨウキランソウ(Ajuga reputans)は似たような色の花を咲かせますが、茎が立ち上がって伸び、グラウンドカバーにも利用されています。
こんなところで大活躍!
古来より民間薬として知られ、解熱や咳止めなどに使われ「医者泣かせ」などの地方名もあります。民間では、多くの効能があげられているそうですが、医薬学的には不明なものが多いそうです。
<参考①:金田 一「散歩で見かける野の花・野草」日本文芸社、2013年10月
<参考②:薬草百選<http://www.sagayaku.or.jp/yakusou100/yakuso100haru2.htm>>