見頃の植物

コスミレ

コスミレ
写真:コスミレ



学 名:Viola japonica
科 名:スミレ科
原産地:日本、朝鮮
植栽場所:図書館西側のサツキの根本


すみれの一種で、在来の多年草です。名前は漢字で「小菫」と書きますが、いわゆるスミレ (Viola mandshurica) より小さいかと言われるとそんな事はないです。 スミレと比較すると草丈が低いですが、花は大きくてたくさん付いていることも多いので、スミレよりボリュームがあるように見えることもあります。 コスミレをはじめとするすみれの仲間は、自力で受粉して種子を作る「閉鎖花」を夏ごろにつけることが多く、一面に群生することもあります。

主に本州・四国・九州に分布していて、朝鮮でも見られるようです。人家や耕作地周辺の日当たりの良い道端、低地の林内や林縁にも生育するそうで、 私は京都の団地のちょっとした草地に群生しているのも見たことがあります。

形に変異が多く一定していない為、見分けるのが困難なすみれの一つです。特に西日本では形態の変化が激しいと言われています。 一般的な特徴としては、茎がなく、根元から直接葉柄、花柄がのび、葉茎に翼がありません。 また、全体に毛はなく、側弁(花弁のめしべの横の辺り)にも毛がありませんが、ときに毛が生える個体もいるようです。

私が普段見分ける際のポイントとして、がく片の付属体(上に出っ張っている部分)に鋸歯があることに注目します。あとは全体の雰囲気とか、 上で上げたような特徴を総合的に捉えて見分けています。でもややこしいですよね。
コスミレ
他のすみれとの比較は、下記の参考①「日本のスミレ」を見て見らえると、写真付きで分りやすいと思います。

今ALPHAで見られるのは全体・側弁共に無毛なタイプで、淡紫色の花を咲かせていて、とてもきれいです。

学名は「Viola japonica」で、種小名に日本名を持つ唯一のスミレ、とのことです。

早春はすみれの季節です。道端で、あぜ道で、いろいろな「すみれ」が咲き始めます。あなたの周りにはどんな「すみれ」がいるでしょうか?

それでは最後に一首。
名前はね 小さなすみれと書くけれど 実は中々 大きなコスミレ(詠み手:東野 皐)


<参考①:いがりまさし (2004) 山渓ハンディ図鑑6 増補改訂 日本のスミレ, 山と渓谷社, p.142-143.>  
<参考②:林弥栄 監修 (2013) 山渓ハンディ図鑑1 増補改訂新版 野に咲く花 山と渓谷社 p.330-331.>  
<参考③:山田隆彦 (2010) スミレハンドブック, 文一総合出版, p.63.>  
<参考④:廣田伸七 (2013) ミニ山野草図鑑 離弁花編, 全国農村教育協会, p.190.>