プルモナリア
|
写真:プルモナリア”ラズベリースプラッシュ” |
学 名:Pulmonaria officinalis
科 名:ムラサキ科
別 名:ハイムラサキ、ラングワート
原産地:ヨーロッパ
植栽場所:カナダ庭園
厳しい寒さを耐え凌いだカナダ庭園のプルモナリアは、この春にちょっと小さめの甘酸っぱい赤桃色をした花をたくさんつけてくれています。でも、この花の色は今だけの色、日を追うごとに青紫色へと変わっていくのです。花は筒型で、プルモナリアは赤桃色以外にも瑠璃色、珊瑚のような赤色、淡い桃色、純白色…思わず私たちも笑顔になってしまうほど色とりどりの品種があります。
花が咲いた後も、可愛らしい白色のドットを散りばめた斑入りの葉も魅力の一つです。プルモナリアのほとんどが常緑性のため、リーフプランツとして冬のシーズンでも鑑賞することができます。良く見てみると、斑の大きさも形も種類によっても異なるようで花十色です。病害虫の心配もほとんどなく、肥料もいらず、繁茂しすぎることがないローメンテナンスなシェードガーデンにぴったりの宿根草です。可愛らしくも丈夫で優等生なプルモナリアですが、暑さは苦手のようですのでご注意くださいね。
ハーブの世界では、ラングワート(lungwort)と呼ばれています。肺臓草という意味があり、点々のある葉っぱが肺胞に見えることから、肺に効くハーブとされていたみたいです。それは、昔々のヨーロッパで、植物はその植物の持つ薬効を目に見える形で表す力があると信じられていたためです。でも面白いのは、その見た目だけではなく、本当に呼吸器に効果があるということです! そして和名では、ハイムラサキ。肺紫!?とおもわず驚いちゃいましたが、そうではありません。正しくは、這い紫。きっと地を這って成長する姿からつけられたのでしょうね。
最後に、ちょっぴりラズベリーな短歌を一首!
屋上へ 続いただけの 階段が なんであんなに 甘酸っぱいか(詠み手:菊池充)
<参考①:花新聞 vol.313. 2013年(北海道新聞情報研究所)>
<参考②:塚本洋太郎. 原色園芸植物図鑑. P.82. 1964年 (株式会社保育社)>
<参考③:奥峰子. 日陰の庭のシェードガーデニング. P.51. 1997年 (文化出版局)>
<参考④:日本花名鑑4. P.368. 2007年 (日本花名鑑刊行会)>
<参考⑤:サラー・ガーランド. ハーブ&スパイス. P.94. 1982年(株式会社誠文堂新光社)>
<参考⑥:リチャード・メイビー, THE COMPLETE New Herbal. P.37. 1990年(小学館)>