見頃の植物

キランソウ

キランソウ
写真:キランソウ



学 名:Ajuga decumbens
科 名:シソ科
原産地:本州~九州
植栽場所:一般駐車場トイレ横の竹林付近



キランソウは在来の多年草で、道端や草地などで見られます。半日陰でも生えます。
漢字で書けば「金瘡小草」と表記しますが、これは「草むらに咲きひろがる様子が、 ”金襴(きらん)”の織物の切れはしのように見えるところから」(参考②より) とのこと。

また茎や葉が地面を覆うように広がるので、「ジゴクノカマノフタ」という別名もあります。

全体に白い縮れ毛は多く、ゴワゴワした見た目です。

濃い青紫色をした花を春に咲かせます。葉も濃い緑色をしていて、全体に落ち着いた色調ですが、たくさんの花をかたまって付けるので目立ちます。

花の形はシソ科特有の唇形ですが、茎はシソ科にしては珍しく、四角ではなく丸いです。

古くから民間薬として用いられ、咳止めなどの薬効があるそうです。


同じAjuga属の仲間で「セイヨウキランソウ」(アジュガ、セイヨウジュウニヒトエとも)という種が園芸でよく使われています。

在来のキランソウと異なり、花茎が上に伸び(このあたりは在来のジュウニヒトエに似ている)、キランソウと比較して全体に毛が少ないです。

園芸や水田の畦畔を被うために導入したものが各地に逸出しているようです。

こちらはALPHAガーデン内で見られます。
セイヨウキランソウ
写真:セイヨウキランソウ

それではここで一首
春の日の 日差し差し込む林道に キラリと光る キランソウ(詠み手:東野 皐)


<参考①:林弥栄 監修 (2013) 山渓ハンディ図鑑1 増補改訂新版 野に咲く花, 山と渓谷社, p.463.>
<参考②:Atsushi Yamamoto (1997~) 季節の花300 http://www.hana300.com/kirans.html 2014年4月17日 閲覧.>
<参考③:清水矩宏、森田弘彦、廣田伸七 編 (2011) 日本帰化植物写真図鑑 1部改訂, 全国農村教育協会, p.267.>