ソメイヨシノ
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写真:ソメイヨシノ |
学 名:Cerasus × yedonensis
科 名:バラ科
人為拡散域:北海道中部以南
植栽場所:アルファガーデン
出会いや別れ、日本人のあらゆる節目を彩るサクラ、その代表ともいえるソメイヨシノは咲き始めから満開までおよそ1週間かかるといわれています。薄紅色の見事な姿はとても儚く、満開から7~10日で葉桜になってしまいます。そして、新緑の季節から初夏にかけて赤い果実がみのりはじめます。サクラの赤い実となれば「さくらんぼ」ですが、ソメイヨシノのさくらんぼは、私たちが普段食べるアメリカンチェリーや佐藤錦とは違い、あまり大きい実にはなりません。そこで、今回は「花より果実」、ソメイヨシノのさくらんぼに注目したいと思います。
美しい新緑に隠れるように実る果実は、果肉の部分が食用のものより少ないですが、はじめは瑞々しい赤色で鳥のデザートになります。人間にとっても毒ではないため、食べることはできますが、甘味は少なく、酸味や苦み、少し味気なさが目立ちます。しかし、ほのかに良い香りがするため、他の品種と同じように果実酒にして楽しむことができるそうです。ビール片手に薄紅色を楽しんだ後は淡い香りに酔いしれる、なかなか新鮮なサクラの楽しみ方を今年試してみてはいかがでしょうか。
ここで一句
となりどうし あなたとわたし さくらんぼ (詠み手:小塚!)
<参考:ポケット図鑑 都市の樹木433 著者:岩崎哲也 p.184>