ALPHA
Garden
見頃の植物     
(2005.10.5)

小さい秋みーつけた

ソリダゴ’ファイヤーワークス’
キク科 Solidago rugosa 'Fire works'

数日ぶりに出勤したら、車を降りた瞬間から一帯に懐かしい香がたちこめていました。ああ、もうこの季節が来たのかと思いながら建物に入ると、香りはいっそう強くなり、咽の奥にまで入ってきました。甘い香りの正体は「キンモクセイ」モクセイ科モクセイ属の中国原産の常緑樹ですが、その忘れがたい香りと、砂糖菓子のようなオレンジの小さな花はもうすっかりお馴染みの植物として定着しています。
 夏の終わりをつげるオミナエシ、山のクズがブドウに似た香りの花をつけ、収穫前の田んぼをヒガンバナが彩る。ホトトギスや、シュウメイギクが花開く頃には衣替えも近くなり、淡路の山もすこしずつ色づき始めます。カレンダーの数字をめくると今年ももう少しと、少し落ち着かない気持ちになりますが、植物が教えてくれる季節の移り変わりは、「ああ、よかった」という安堵感に満ちています。地球環境の悪化を肌身に感じる昨今は、自然界の生き物がこうして四季折々の姿を見せてくれるという「あたりまえ」のことがとてもありがたく感じられます。雑事に追われる毎日ではありますが、こうした自然のメッセージを一つ一つ手にとって、じっくりと堪能する時間を忘れないでいたいと思います。


アネモネ・ヒブリダ (*シュウメイギク)
学名:Anemone hybrida
科名: キンポウゲ科
植栽場所: エントラススロープ他

シュウメイギクと言う名前で流通していますが、茶花として知られている「シュウメイギク」(貴船菊)とは正しくはは中国原産の紫紅色のものをさします。これら園芸品種は学名のアネモネ・ヒブリダで呼ぶのが正しいのです。。繊細なイメージの花ですが、大変丈夫でよく増えます。昨年は台風で全く駄目だったので、今年はひときわ美しく見えます。
サルビア・レウカンサ 
学名:Salvia leucantha
科名:シソ科

植栽場所:サルビア花壇、、道路沿い花壇など
メキシカン・ブッシュ・セージや、アメジストセージなどの名前で親しまれている秋咲きサルビアの代表選手。ガクは紫でも花は白だったり、紫色にもいろんなトーンがあります。葉に斑のある種は少し弱いです。個人的にはこの濃いバイオレットの品種が一番好きです。
フジバカマ
学名:Eupatorium fortunei
科名:キク科  
植栽場所:エントランススロープ上、宿根草ボーダ他
秋の七草の一つで万葉の時代から親しまれてきた植物です。ほんのりと甘い芳香は匂袋などに使われました。花だけでなく、葉の美しさも楽しめて、洋風の庭園にもよく合います。白と淡紫の2種類を植えています。
キンモクセイ
学名:Osmanthus fragrans var. aurantiacus
科名:モクセイ科    
植栽場所:展示見本園
芳香剤や、桂花酒でもおなじみの甘い香りの常緑樹です。普段は地味な生け垣ですが、花が咲くと一気にその存在を主張します。
サルビア・アズレア
学名:Salvia azurea
科名:シソ科  
植栽場所:エントランススロープ、園芸療法など
透き通るような青色がさわやかな秋晴れの空のような花です。ほっておくとひょろひょろとよく伸びて、開花期には枝がばらついてしまうので、7月ぐらいに一度刈り込むと良いです。
パイナップルセージ 
学名:Salvia elegans
科名:シソ科  
植栽場所:宿根草ボーダ他
葉に甘いパイナップルの香りをもつサルビアで、ハーブの仲間としてはよく知られています。花の根本にも甘い蜜があって、こどもたちに教えてあげるとよろこばれます。こちらも夏のうちに刈り戻しておかないと大きく成りすぎるようです。
今月の花
Solidago rugosa 'Fireworks'

まるで花火がはじけるように、しなやかな枝を秋風に揺らすソリダゴ’ファイヤーワークス’は北米原産の宿根草。あの、悪名高きセイタカアワダチソウや、アキノキリンソウの仲間です。カナダ庭園に植えられていた株を増やして咲かせました。昨年は台風で痛めつけられてほとんど見られませんでしたが、今年は見事な黄色の海が広がりました。


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