オーストラリアンローズマリー
学 名:Westringia fruticosa
科 名:シソ科
原産地:オーストラリア
植栽場所:エルフガーデンの横
別名:ウエストリンギア
ローズマリーといえば香りが印象的なハーブです。
しかし、今回紹介する“オーストラリアンローズマリー”は、名前や姿に期待していくら鼻を近づけても香りはしません。
少し拍子抜けです。おなじみのローズマリー(Rosmarinus)と並べて比べてみると、確かに異なるところがあります。
葉に関して言うと、裏は全体が白いところや、先がとがっているところ、うっすら毛が生えているところ、
付き方が4枚一組になっているところが、ローズマリーと違っています。茎も細かい毛が生えていて全体的に白っぽく見え、
肉眼でも白い毛を見ることができます。ルーペでは、多分ふかふかに見えると思います。
ローズマリーの枝にも毛は生えていますが、あまり目立たずベルベットのような質感です。
全体を見た印象は、ローズマリーよりも密で葉と葉の間が詰まっています。
遠目で見るとこんもりしたボリュームのある姿です。
ローズマリーは、種類にもよるのかもしれませんが、
下に向かって枝が垂れているものもあるし樹形が乱れがちのようです。
書いてみると、違いがよくわかってきます。
ところで、オーストラリアンローズマリーを初めて見た時に思い出したのが、
私が今年の1月に紹介したギョリュウバイです。葉色や花など全く違うのですが、
樹形の印象と葉の雰囲気に近いものを感じました。これらはどちらもオーストラリア原産です。
オーストラリアに多い形状なのでしょうか。固くて先がとがっている葉の形なんかが似ています。
オーストラリアンローズマリーは、オーストラリアの中でも夏にじめじめする地域は苦手だそうで、
葉の感じからしても乾燥には強そうです。同じ地域で育ったものには、見た目上にも共通点ができるのかもしれません。
おなじみのローズマリーは、多いか少ないかはともかく、いつ見ても花があるような気がします。
オーストラリアンローズマリーも開花期は長く、半年より長い位の間、花が見られるようです。
私は最近花が増えてきたように感じますが、どうでしょうか。オーストラリアでは、
ほぼ一年中花がついているそうです。花期が長いものの見頃の時期をどう判断するか、
今まで考えたことがありませんでした。果たしていつが見頃なのでしょう。
こんなところで大活躍!
ボリューミーな常緑には迫力を感じます。
庭で用いる時は大きさを調整する必要がありそうです。
葉が密に茂るので、生け垣や目隠しに使ってはどうでしょう。
<参考①:英国王立園芸協会編『低木とつる植物図鑑1000』日本ヴォーグ社(1997.8.10)>
<参考②:John W.Wrigley・ Murray Fagg『AUSTRALIAN NATIVE PLANTS』New Holland(2003)>
<参考③:北海道新聞情報研究所『花新聞Hokkaidoローズマリーで暮らしを楽しむ vol.306』(2013.1.9)>