見頃の植物

ランタナ

ランタナ



学 名:Lantana camara
科 名:クマツヅラ科
原産地:熱帯・亜熱帯アメリカ
植栽場所:道路沿いの芝生付近



 遠目から見るときれいだと思い、近寄って良く見ていると1cmほどの花がたくさん咲いています。 蕾も特徴的な形をしており、角の張り出した四角形の蕾で小さな蝶ネクタイが密集しているように見えます。
 ランタナは熱帯アメリカ原産の低木で、高さ30~100cmほどになります。花は枝先に多数集まって咲き、 このように一つの枝にたくさんの花を咲かせることを散形花序といいランタナの小さな花が満開になると ボール状になりとてもかわいいです。
 ランナタは別名シチヘンゲと呼ばれ、花色がピンクや黄色から赤色やオレンジに変化する種があること から付けられたと言われています。このように花色が時間の経過とともに変化することをブルーイングといい、 バラではブルーイングすると色あせた感じになり鑑賞価値が下がってしまう現象ですが、ランナタの場合は きれいに色が変化し鑑賞価値を高めています。
 花が終わると、緑色の果実を付けてやがて黒色に熟していき桑の実を大きくしたような形になります。 しかし桑の実と違いランタナの果実にはランタニンと呼ばれる毒の成分があり食すと腹痛や下痢や嘔吐 などを伴う症状が現れることがあり、ほとんどの動物はランタナの果実を食べることはないそうです。 しかし鳥類はランタナの果実を食べても平気なようです。その理由は毒の成分は果肉ではなく種の中に あるようで、歯のある動物は種を噛み砕いてしまう可能性がありますが、鳥類は果実だけを食べ、 種は消化されず糞と一緒に排出されるので毒の成分を受けずに済みます。鳥は食料として実を食べ、 植物は種子を散布するためと、持ちつ持たれつの関係にあります。
 他国から運ばれてきた植物や種子が、その国に土着し自生するものを帰化植物といい、ランタナは 世界の熱帯や亜熱帯では帰化植物として定着しています。その繁殖力の高さや生育旺盛さで在来種を 駆逐する恐れがあり、世界の侵略的外来種ワースト100に指定されており、日本では要注意外来種生物 リストに指定されています。日本には冬があるので熱帯・亜熱帯地域に比べ繁殖力は劣るものの育てるときは 周囲に広がらないよう注意が必要です。

ランタナ  こんなところで大活躍!

 スペインから新大陸へ移住した人々はこの植物を
煎じ薬や風呂に利用していたそうです。
 花の蜜を求めていろんな蝶が集まります。
学校ではアオスジアゲハが蜜を吸いに来ていました。


<参考①:ヤサシイエンゲイ http://www.yasashi.info/ra_00001.htm
<参考②:野に咲く花の写真館 http://linghum.blog119.fc2.com/blog-entry-31.html
<参考③:花屋さんの花図鑑 花図鑑 鉢花 著者:白澤照司 出版社:株式会社草土出版
<参考④:オルビス学習科学図鑑 花 著者:伊藤年一 出版社:株式会社学習研究社
<参考⑤:花の園芸大百科 庭の花、室内の花、山野の花1500種 著者:山本忠 出版社:大日本製本株式会社