ハクモクレン(実と冬芽)
学 名:Magnolia denudata
科 名:モクレン科
原産地:中国
植栽場所:花の庭
秋を迎えると多くの樹木が実をつけ始めます。赤くて丸い形をした実はたくさん見かけますが、このなんとも形容し
難い赤い実をつけているのが、ハクモクレンです。
しかも、この実、同じ形をしているものが一つも見当たりません。何故このような形になってしまうのでしょうか?
実をよく見てみると膨らんでいるものの中には種子が出来ています。果実が乾燥し割れて来ると種子が姿を表します。
ハクモクレンを始めモクレン科の花は両生花で虫媒花、多数の雌ずいを持っています。
沢山ある雌ずいの中で受粉した所だけ種子ができ大きく膨らむため、果実の形が様々になっていくようです。片側に
だけ種子ができた果実はカーブを描いた実の形を作っていました。
つまりこの奇妙な形は花粉を運ぶ虫の気まぐれが作り出しているということなんですね!
種を残していきたい樹木としてはこの虫の気まぐれによって変わってしまうような繁殖方法を、より確実にするため、
多数の雌ずいをもつよう進化していったのかなあと考えるとその努力に気が遠くなってしまいました。
また集合果の隣には冬芽が見られました。大きな葉で夏の間にしっかりためたエネルギーを使い果実や冬芽を作り、
役目を終えた葉は間もなく落葉していきます。
春に見る大きな花も素敵ですが、こうして今年の締めくくりとしての果実、来年の準備の冬芽、その原動力と
なった葉を同時に見ることの出来るこの時期もまた見頃だなあと感じました。
こんなところで大活躍!
庭木やシンボルツリーとしてお馴染みです!
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参考文献: 樹木の葉 林将之