モチノキ
学 名:Ilex integra
科 名:モチノキ科
原産地:日本(東北南部以南)
植栽場所:エントランスゾーンの坂道など
真っ赤な果実がたくさんついている賑やかな樹木を発見!
モチノキという名の常緑高木です。常緑樹の葉っぱらしい、濃い緑色で厚みのある葉が上を向くようにして交互についています。葉には鋸歯がなく、葉脈も目立たず細かな毛もないので、つるんとしています。また、つるんとしていますが光沢はあまりないため、マットな感じの深い緑色の葉に、真っ赤な実がとてもよく映えています。
秋から冬にかけて赤く熟す果実は、種子を運ぶ鳥たちへのアピールにもなります。鳥たちに『ここに美味しそうな実がたくさんありますよーー!』と、真っ赤な実をもりもりつけているモチノキの姿を見ると生命力の強さを感じます・・・!
学校の庭には同じモチノキ科の樹木で、クロガネモチやソヨゴなども見られます。そのどちらも鋸歯のない葉と赤い実をつけている姿がモチノキに似ています。
ですが、よく観察してみると、ソヨゴの果実は長い果柄の先に一つずつ控えめに付いていたり、クロガネモチは果実をたくさん付けてはいますが、モチノキに比べるとサイズが小さいです。さらに、葉に着目してみると、ソヨゴの葉は葉柄が長く縁が波打っていたり、クロガネモチの葉には光沢があったり、またどちらの葉もモチノキの厚みのある葉と比べると薄く感じる・・・などなど細かな違いがあります。
モチノキ科の樹木以外にも、今回紹介しているハクモクレンのように、秋から冬にかけて赤い実を付ける樹木は他にもたくさんあります。
寒い時期に花を咲かせる樹木は少ないですが、モチノキの真っ赤な果実のような、彩り鮮やかな冬の装いにも注目してみてください♪
こんなところで大活躍!
モチノキの樹皮をはぎ取って、水につけ、さらにそこから臼でついていくと鳥や昆虫を捕獲するために利用されてきた『鳥もち』ができあがります!
また、モチノキから作られるものを本もち、タラヨウやイヌツゲから作られるものを青もちと呼び区別され、現在はハエトリ紙や絆創膏にも利用されています。
参考文献
〈岩崎哲也『都市の樹木』文一総合出版(2012.4.30)〉
〈八田洋章『木の見かた、楽しみかた 』朝日新聞社(1998.5.25)〉
〈濱野周袋『葉っぱで覚える樹木』柏書房株式会社(2005.9.30)〉